ベック式!暗記術
概要
歌手の人たちはどうしてあんなに多くの曲の歌詞を覚えていられるのだろうか。
持ち歌は言うまでもなく、コンサートなどで披露するカバー曲も含めれば、並の歌い手でさえ、そのレパートリーは100曲を下ることはないだろう。
あるいは私たち自身童謡やマンガの主題歌など、小さい頃に覚えた歌でさえ鮮明に覚えていたりする。
その秘密はメロデイーにある。
覚える対象がメロディーのない、ただの詩なんかだったらあはいかないだろう。100も200もの散文を暗記することなど不可能である。
記憶すべき内容をメロディーにのせることによって声に出す効果と聴覚を刺激する効果があるだけでなく、骨伝導によって情報がダイレクトに脳に入る。また、記憶容量が格段に大きな右脳の助けを借りることができるため、多くのことがらを正確に覚えることができるのである。
メロディーにのるからにはゴロもいいわけで、ゴロ合わせの効果もある。したがって、聴覚を通して入ってきた情報は長期記憶として定着しやすいのだ。
文字は象形文字に限らず何らかの形をもっている。その形を利用して単語の意味や結びつけるべき重要事項を思い出すことができる。
Novemberの「N」にある二本の縦線を「11」に見立てて11月を覚え、Octoberの「O」を数字のゼロに見立てることで10月を忘れないようにすれば効果は抜群で、一度見たらそれらの意味を二度と忘れることはないだろう。
この文字型活用暗記術は漢字で書かれた物を覚える際にも利用出来る。
例えば、「本居宣長」が『古事記伝』を著したことを覚える際には「本居」の「居」の字にある〈古〉の形に着目して覚えるとよい。これだけで記憶の復元率ははるかに高いものになるはずである。
視覚化して何かを覚える際に必要な心がけは、想起をもたらすヒントを探し、そのヒントを意識して記名を試みることである。どう覚えれば思い出しやすいかを考え、覚えることなのである。
勉強を進めていくうえで、暗記は欠かせないものである。単語を覚えることなく語学を修得することは不可能だし、人名を用いずに歴史を語ることはできない。そもそも語彙なくしては考えを言葉にすることすらできはしない。
それほど重要なものであるにもかかわらず、暗記に関する技術的な側面が語られることはほとんどない。
その理由は多くの人たちが記憶力を天成のものと信じて疑わず、それゆえその改善や向上など不可能だと思い込んでしまっているからである。
学生諸君はおろか、勉強を教える教師たちまでもがそう思い込んでしまっているからやっかいだ。
その結果、覚える事に対しては何の工夫もなされず、がむしゃらに繰り返すしかないと誰もが漠然と考えてしまっているのである。
しかしながら他人と比較して「覚えられない、記憶力が悪い」と考えている人は、単に覚え方が悪いだけなのである。
覚える際に、覚えるべき事柄にほんの少しの加工を施すことによって記憶力は格段に上昇する。驚異的にと表現しても大げさな表現にはならないだろう。
学習する上で最も重要な認識は、暗記は勉強でも何でもないが、暗記すべき事柄は勉強を進めていく上において非常に重要な要素であるということである。
暗記は目的ではなく手段なのである。あるいは道具と表現した方が分かりやすいかも知れない。画家にとっての絵の具であり、演奏家にとっての楽器なのである。
ゴッホが絵の具を自ら作ることから始めていたら、あるいはモーツァルトがピアノ作りにエネルギーを費やしていたなら、かれらは作品の中でその天才を発揮することはなかったであろう。
持てる力を最大限に発揮するためには、その力を真に有意義な目的に注ぐ必要がある。勉強でもない暗記にエネルギーを費やしてしまい、創造的な思考や独創的な発想から遠ざかってしまってはまったくの本末転倒ではないだろうか。
「魔法の暗記術」は修行を経なければできないような難行や苦行ではない。魔法という名はその効果の大きさを表すと同時にその習得の容易さも表現しているのである。立ち位置を少し変えるだけで大きく視野が開けるように、視点をほんの少し変化させることによって大きな効果があらわれる、そんな取り組みなのである。
例えば、英単語の意味を問われて答えられないとき、皆さんは「忘れた」、あるいは「覚えていない」などと答えるだろう。そして正解を教えられて「あぁそうだった。そういう意味だった」などと言う。
覚えているではないか。
「そういう意味だった」と言えるということは、忘れてなどいないのである。それは思い出せなかっただけないのだ。「忘れる」ことと「思い出せない」ことは全くの別物である。このことを認識しないままに学習を進めることは、サッカーの試合に向けて野球のバットを素振りするようなものである。
逆に言えば、思い出しやすいように覚えることで、記憶の想起において大きな成果が得られることになる。
それでは、どのような情報が思い出しやすく、どのような情報は思い出しにくいのであろうか?
歴史年代から出来事を、英単語からその意味を、あるいは言葉からそれを表す漢字など、2つの情報を結びつける際に最も大きな効果を上げる橋渡しをするもの、それが「連想」である。
「ドイツの形を思い浮かべてみてください」といわれても、思い出せる人はそれほど多くはないかもしれない。
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で、
「あー。確かにやったよな。
塾で冬のワークに出てた。
なんだっけ。えーっと。えーっと」
と考えているうち
「はい。時間です」
禁煙の「えん」・・・・・・塩酸
吸いそうだの「すいそ」・・・水素
「金属に塩酸を加えると水素を発生する」
という得点ポイントをいとも簡単に思い出すことができるのである。
それではイタリアの形はどうだろう。
遥かに多くの人がその形を思い浮かべることができるのではないだろうか。
これはイタリアの形が長靴の形に似ていて、長靴の形に結びつけて覚えることができるためであり、実際多くの人がそうしてイタリアの形を覚えているようだ(あなたもそうだったのではないですか?)
自分にとって身近なもの、よく知っている事柄に、覚えようとするものを結びつけて記憶していけば、それが記憶を導き出すためのタグとなって、思い出すことがいとも簡単になる。
例えば「源氏物語」が「紫式部」によって書かれ、それが「国風文化期」であることを覚える際、最もイメージが鮮やかな語は「紫」である。
色を意味するこの語に「源氏物語」や「国風文化」も関連付けて、「原色」「濃く」とし、「原色紫一部濃く。」とでもすれば、「源氏物語」「紫式部」「国風文化」という3つの情報が連想によって繋ぎ合わさり、容易に思い出せることをおわかりいただけるであろう。
このように複数の情報を関連付けることによって情報は格段に取り出しやすくなる。
関連付けられ、連想を引き出しやすくなった情報は実際の試験の場で大きな威力を発揮するのである。
例えば、
高校入試の本番当日こんな問題が出た
高校入試の本番当日こんな問題が出た
とする。
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【設問】
金属のマグネシウムリボンに薄い塩酸をかけたときに発生する気体は?
金属のマグネシウムリボンに薄い塩酸をかけたときに発生する気体は?
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で、
「あー。確かにやったよな。
塾で冬のワークに出てた。
なんだっけ。えーっと。えーっと」
と考えているうち
「はい。時間です」
テストが終わって近くの友達に聞いたら、
「水素でしょ」
と言われた
(あー。そうだった・・・)
これでは、まったく意味がない。
「水素でしょ」
と言われた
(あー。そうだった・・・)
これでは、まったく意味がない。
でもほとんどの生徒さんがこのような結果になってしまっているのもまた事実である。
「ベック式!暗記術」ではこの内容を、「禁煙しても吸いそうだ」
「ベック式!暗記術」ではこの内容を、「禁煙しても吸いそうだ」
と覚えるのだ。
こうすることで、
禁煙の「きん」・・・・・・金属
禁煙の「きん」・・・・・・金属
禁煙の「えん」・・・・・・塩酸
吸いそうだの「すいそ」・・・水素
から
「金属に塩酸を加えると水素を発生する」
という得点ポイントをいとも簡単に思い出すことができるのである。
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